建築計画を策定する中で斜線制限がなければもっと良い計画ができるのに、斜線制限がある為に建物が斜めに削られてしまうなど、悩んだ事が誰でもあるだろう。
特に東京を初めとした都心部においては、計画面積が1㎡へるだけでも得ることができる賃貸収入は大きく異なる為、斜線制限等によって計画が削られる事は大きな痛手となる事は間違いのない事である。
天空率は、計画の自由度を高める為に、斜線制限(道路斜線制限、北側斜線制限、隣地斜線制限)を緩和する為の規定として制定されたものである。
天空率は斜線制限に比べて複雑な計算が必要な為、とっつきにくいイメージを持っている方も多いのではないだろうか?
天空率の事をよく理解すれば計画の巾が広がる事は間違いのないことである。
ここでは、計画するうえで武器となる天空率について解説をしていきたい。
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天空率の設立背景を理解しよう!
天空率設立は、斜線制限の長い歴史から現代の街と基準にずれが生じている為、道路斜線制限の緩和を目的に、外部空間の明るさと相関関係があるとされる天空率制度を用いた天空率制度が2002年に制度化された。
斜線制限は1919年に住環境の確保を目的として成立した。
道路斜線制限は、道路を挟んで向かいあう建築物の環境および道路上の日照・通風・採光などの確保を目的としている。
隣地斜線制限は、日照・通風・採光などの隣地環境を目的としている。
北側斜線制限は、北側の近隣の日照の環境確保を目的としている。
天空率の記載される法文を確認しよう
建築行為は基本的には、法律を最低限守るところから始まり、その上に独自性等が加味され建築物が作られる。
建築においての最低限の法律を示すものは「建築基準法」であり、その条文を読みこなす事は建築を業とするものにおいて、必須事項である。
今回のテーマである「天空率」に着目して、法文を確認していきたい。
天空率については建築基準法56条において規定されている。
建築基準法56条の構成は以下の通りである。
建築基準法56条
1項1号:道路斜線制限
1項2号:隣地斜線制限
1項3号:北側斜線制限
2項:前面道路後退緩和(道路斜線)
3項:前面道路幅員12m以上の扱い(道路斜線)
4項:3項の補足
5項:建築物が斜線制限規定が異なる場合の考え方
6項:2以上の道路に接する場合などの考え方
7項:天空率
では、天空率の法文56条7項を確認する。
<法56条7項>
次の各号のいずれかに掲げる規定によりその高さが制限された場合にそれぞれ当該各号に定める位置において確保される採光、通風等と同程度以上の採光、通風等が当該位置において確保されるものとして政令で定める基準に適合する建築物については、それぞれ当該各号に掲げる規定は、適用しない。
一 第一項第一号、第二項から第四項まで及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。前面道路の反対側の境界線上の政令で定める位置
二 第一項第二号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。)
隣地境界線からの水平距離が、第一項第二号イ又はニに定める数値が一・二五とされている建築物にあっては十六メートル、第一項第二号イからニまでに定める数値が二・五とされている建築物にあっては十二・四メートルだけ外側の線上の政令で定める位置
三 第一項第三号、第五項及び前項(同号の規定の適用の緩和に係る部分に限る。)
隣地境界線から真北方向への水平距離が、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあっては四メートル、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあっては八メートルだけ外側の線上の政令で定める位置
要約すると
道路斜線、北側斜線、隣地斜線の規定により高さが制限される場合、1-3号の定める位置において、採光、通風等が確保されるものとして示される天空率の基準に適合するものは、斜線制限を適用しない。
となる。
では、その天空率を示す政令を確認して行こう。
まず、天空率の定義が以下の条文で記載されている。
<施行令135条の5 天空率>
- この章において「天空率」とは、次の式によっつて計算した数値をいう。
- Rs=(As-Ab)÷As
この式において、Rs、As及びAbは、それぞれ次の数値を表すものとする。
- Rs 天空率
- As 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球(以下この章において「想定半球」という。)の水平投影面積
- Ab 建築物及びその敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積
続いて、1項1号の道路斜線においては「政令で定める位置において・・・・政令で定める基準に適合」しなくてはいけないので、「政令で定める位置」を施行令135条の9、「政令で定める基準」を施行令13条の6で定義しているので確認する。
<第135条の9 法第56条第7項第一号の政令で定める位置>
- 法第56条第7項第一号の政令で定める位置は、前面道路の路面の中心の高さにある次に掲げる位置とする。
- 一 当該建築物の敷地(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限る。)の前面道路に面する部分の両端から最も近い当該前面道路の反対側の境界線上の位置
- 二 前号の位置の間の境界線の延長が当該前面道路の幅員の1/2を超えるときは、当該位置の間の境界線上に当該前面道路の幅員の1/2以内の間隔で均等に配置した位置
- 2 当該建築物の敷地が道路制限勾配が異なる地域等にわたる場合における前項の規定の適用については、同項第一号中「限る。)」とあるのは、「限る。)の道路制限勾配が異なる地域等ごと」とする。
- 3 当該建築物の前面道路が2以上ある場合における第1項の規定の適用については、同項第一号中「限る。)」とあるのは、「限る。)の第132条又は第134条第2項に規定する区域ごと」とする。
- 4 当該建築物の敷地の地盤面が前面道路の路面の中心の高さより1m以上高い場合においては、第1項に規定する前面道路の路面の中心は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。
- 5 第135条の2第2項の規則で前面道路の位置の高さが別に定められている場合にあっては、前項の規定にかかわらず、当該高さを第1項に規定する前面道路の路面の中心の高さとみなす。
<第135条の6 前面道路との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等>
- 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第一号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
- 一 当該建築物(法第56条第7項第一号に掲げる規定による高さの制限(以下この章において「道路高さ制限」という。)が適用される範囲内の部分に限る。)の第135条の9に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内において道路高さ制限に適合するものとして想定する建築物(道路高さ制限が適用される範囲内の部分に限り、階段室、昇降機塔、装飾塔、物見塔、屋窓その他これらに類する建築物の屋上部分でその水平投影面積の合計が建築物の建築面積の1/8以内のものの頂部から12m以内の部分(以下この章において「階段室等」という。)及び棟飾、防火壁の屋上突出部その他これらに類する屋上突出物(以下この章において「棟飾等」という。)を除く。以下この章において「道路高さ制限適合建築物」という。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。
- 二 当該建築物の前面道路の境界線からの後退距離(法第56条第2項に規定する後退距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の道路高さ制限適合建築物と同一の道路高さ制限適合建築物の前面道路の境界線からの後退距離以上であること。
- 2 当該建築物の敷地が、道路高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「道路制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)」とあるのは「という。)の道路制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
- 3 当該建築物の前面道路が2以上ある場合における第1項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の第132条又は第134条第2項に規定する区域ごとの部分」と、「という。)」とあるのは「という。)第132条又は第134条第2項に規定する区域ごとの部分の」とする。
続いて、1項2号の隣地斜線においては「政令で定める位置において・・・・政令で定める基準に適合」しなくてはいけないので、「政令で定める位置」を施行令135条の10、「政令で定める基準」を施行令13条の7で定義しているので確認する。
<第135条の10 法第56条第7項第二号の政令で定める位置>
- 法第56条第7項第二号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
- 一 法第56条第7項第二号に規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)の当該建築物の敷地(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)に面する部分の両端上の位置
- 二 前号の位置の間の基準線の延長が、法第56条第1項第二号イ又は二に定める数値が25とされている建築物にあっては8m、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあっては6.2mを超えるときは、当該位置の間の基準線上に、同号イ又は二に定める数値が1.25とされている建築物にあっては8m、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあっては6.2m以内の間隔で均等に配置した位置
- 2 当該建築物の敷地が隣地制限勾配が異なる地域等にわたる場合における前項の規定の適用については、同項第一号中「限る。)」とあるのは、「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」とする。
- 3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項の規定の適用については、同項中「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、同項第一号中「限る。)」とあるのは「限る。)の高低差区分区域ごとの部分」とする。
- 4 当該建築物の敷地の地盤面が隣地の地盤面(隣地に建築物がない場合においては、当該隣地の平均地表面をいう。)より1m以上低い場合においては、第1項に規定する当該建築物の敷地の地盤面は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。
- 5 第135条の3第2項の規則で建築物の敷地の地盤面の位置の高さが別に定められている場合にあっては、前項の規定にかかわらず、当該高さを第1項に規定する当該建築物の敷地の地盤面の高さとみなす。
<第135条の7 隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等>
- 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第二号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、次のとおりとする。
- 一 当該建築物(法第56条第7項第二号に掲げる規定による高さの制限(以下この章において「隣地高さ制限」という。)が適用される地域、地区又は区域内の部分に限る。)の第135条の10に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において隣地高さ制限に適合するものとして想定する建築物(隣地高さ制限が適用される地域、地区又は区域内の部分に限り、階段室等及び棟飾等を除く。以下この章において「隣地高さ制限適合建築物」という。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であること。
- 二 当該建築物(法第56条第1項第二号イ又はニに定める数値が25とされている建築物にあっては高さが20mを、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている建築物にあっては高さが31mを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離(同号に規定する水平距離のうち最小のものに相当する距離をいう。以下この号において同じ。)が、前号の隣地高さ制限適合建築物と同一の隣地高さ制限適合建築物(同項第二号イ又はニに定める数値が1.25とされている隣地高さ制限適合建築物にあっては高さが20mを、同号イからニまでに定める数値が2.5とされている隣地高さ制限適合建築物にあっては高さが31mを超える部分に限る。)の隣地境界線からの後退距離以上であること。
- 2 当該建築物の敷地が、隣地高さ制限による高さの限度として水平距離に乗ずべき数値が異なる地域、地区又は区域(以下この章において「隣地制限勾配が異なる地域等」という。)にわたる場合における前項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分」と、「という。)」とあるのは「という。)の隣地制限勾配が異なる地域等ごとの部分の」とする。
- 3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項第一号の規定の適用については、同号中「限る。)」とあるのは「限る。)の周囲の地面と接する位置の高低差が3m以内となるようにその敷地を区分した区域(以下この章において「高低差区分区域」という。)ごとの部分」と、「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、「という。)」とあるのは「という。)の高低差区分区域ごとの部分の」とする。
続いて、1項3号の北側斜線においては「政令で定める位置において・・・・政令で定める基準に適合」しなくてはいけないので、「政令で定める位置」を施行令135条の11、「政令で定める基準」を施行令13条の8で定義しているので確認する。
<第135条の11 法第56条第7項第三号の政令で定める位置>
- 法第56条第7項第三号の政令で定める位置は、当該建築物の敷地の地盤面の高さにある次に掲げる位置とする。
- 一 当該建築物の敷地(北側高さ制限が適用される地域内の部分に限る。)の真北に面する部分の両端から真北方向の法第56条第7項第三号に規定する外側の線(以下この条において「基準線」という。)上の位置
- 二 前号の位置の間の基準線の延長が、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあっては1m、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあっては2mを超えるときは、当該位置の間の基準線上に、第一種低層住居専用地域又は第二種低層住居専用地域内の建築物にあっては1m、第一種中高層住居専用地域又は第二種中高層住居専用地域内の建築物にあっては2m以内の間隔で均等に配置した位置
- 2 当該建築物の敷地が北側制限高さが異なる地域にわたる場合における前項の規定の適用については、同項第一号中「限る。)」とあるのは、「限る。)の北側制限高さが異なる地域ごと」とする。
- 3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項の規定の適用については、同項中「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、同項第一号中「限る。)」とあるのは「限る。)の高低差区分区域ごと」とする。
- 4 当該建築物の敷地の地盤面が北側の隣地の地盤面(隣地に建築物がない場合においては、当該隣地の平均地表面をいう。)より1m以上低い場合においては、第1項に規定する当該建築物の敷地の地盤面は、当該高低差から1mを減じたものの1/2だけ高い位置にあるものとみなす。
- 5 第135条の4第2項の規則で建築物の敷地の地盤面の位置の高さが別に定められている場合にあっては、前項の規定にかかわらず、当該高さを第1項に規定する当該建築物の敷地の地盤面の高さとみなす。
<第135条の8 北側の隣地との関係についての建築物の各部分の高さの制限を適用しない建築物の基準等>
- 法第56条第7項の政令で定める基準で同項第三号に掲げる規定を適用しない建築物に係るものは、当該建築物(同号 に掲げる規定による高さの制限(以下この章において「北側高さ制限」という。)が適用される地域内の部分に限る。)の第135条の11に定める位置を想定半球の中心として算定する天空率が、当該建築物と同一の敷地内の同一の地盤面において北側高さ制限に適合するものとして想定する建築物(北側高さ制限が適用される地域内の部分に限り、棟飾等を除く。)の当該位置を想定半球の中心として算定する天空率以上であることとする。
- 2 当該建築物の敷地が、北側高さ制限による高さの限度として加える高さが異なる地域(以下この章において「北側制限高さが異なる地域」という。)にわたる場合における前項の規定の適用については、同項中「限る。)」とあるのは「限る。)の北側制限高さが異なる地域ごとの部分」と、「除く。)」とあるのは「除く。)の北側制限高さが異なる地域ごとの部分」とする。
- 3 当該建築物が周囲の地面と接する位置の高低差が3mを超える場合における第1項の規定の適用については、同項中「限る。)」とあるのは「限る。)の高低差区分区域ごとの部分」と、「地盤面」とあるのは「高低差区分区域ごとの地盤面」と、「除く。)」とあるのは「除く。)の高低差区分区域ごとの部分」とする。
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天空率の法文をかみ砕いて確認しよう!
法文は非常に難解で長文に渡るのでわかりづらい。だが、よく読んでみると天空率とは以下のように要約される。
「それぞれの斜線制限における高さ制限を規定しない建築物(計画建物)は、高さ制限を満足している建築物(適合建築物)よりも、該当位置において天空率を上回っている事。」
式としてあらわしてみると
計画建物の天空率≧適合建築物の天空率
難解な条文ではあるが、言っている事は上記の事である。
ただ、斜線制限の種類によって測定する位置が異なるので注意したい。
天空率の計算を確認しよう!
天空率の計算は、施行令135条の5の以下の式によって示される。
Rs=(As-Ab)÷As
各記号の意味は以下の通りである。
Rs(U) 天空率
As(A) 地上のある位置を中心としてその水平面上に想定する半球の水平投影面積
→このAs(A)が示すものは、測定点を中心として天空を投射した円の面積の事である。
Ab(B) 建築物及びその敷地の地盤をAsの想定半球と同一の想定半球に投影した投影面の水平投影面積
→このAb(B)が示すものは、測定点を中心とする天空球面への建築物の射影面積を、水平面に
正射影(水平投影)した面積の事である。
図で表すと以下の通りになる。
「広報かすがいより」http://www.chiba-jk.or.jp/kasugai/
(天空率概念図)
この式が表すものは、天空に対して建物がある時にどれだけ天空が残っているのかを表している。
この水平投射面積を求めるわけであるが一般的にはCADで用いる場合がほとんどである。今や建築フリーCADソフトとしてスタンダードになったJWCADにおいても天空率の作図はできるので確認されたい。
続いては、道路斜線、隣地斜線、北側斜線の3種類ある中で測定点をどこでとるかを解説しておきたい。
上記に示した条文の中に書かれてはいるのであるが、条文が難解な為に非常に理解しづらい。以下に示しておきたい。
・道路斜線制限緩和の測定点
①測定ライン:道路の反対側のライン
②測定ピッチ:道路幅1/2以内の等間隔のポイント
・隣地斜線制限緩和の測定点
①測定ライン:隣地境界線より、16m(1.25勾配の地域)もしくは12.4m(2.5勾配の地域)のライン
②測定ピッチ:ライン上の8m(1.25勾配の地域)もしくは6.2m(2.5勾配の地域)以内の等間隔ポイント
・北側斜線制限緩和の測定点
①測定ライン:境界線より、真北方向に4m(5m立ち上がりのの地域)もしくは8m(10m立ち上がらりの地域)のライン
②測定ピッチ:ライン上の1m(5m立ち上がりのの地域)もしくは2m(10m立ち上がらりの地域)以内の等間隔ポイント
天空率が有効になる計画とは!
天空率は斜線制限と何が違うかと考えた際に、いわゆる敷地内に空地をつくりだすことで、余裕があるとみなされ結果的に斜線制限等を緩和できるとするものである。
天空率比較における相手は、斜線制限適合建築物である。斜線制限適合建築物とはいわゆる、斜線制限に適合したモデル建築物であり一般的には一番緩和が効いた条件下で設定する事が多い。これは、厳しい条件下で天空図を表すと、余剰が生まれる為、計画建築物の検討としては不利になる事が多いからである。
天空図は円の中心に向かうほど細まる計画となり、これが実際の計画と考えると建物の高さを低くする事よりも、幅を狭める事の方が有効に働く事がわかる。
計画を進めて行くうえで、天空率を最大限有効に働かせたい場合は、敷地の左右方向に空きをつくる事が重要である。
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まとめ
いかがであったであろうか、天空率は概要をわかっていたとしても、計算となるとよくわからないという設計者は多いのではないだろうか。
今はコンピュータで簡単に天空率の計算もすることができる為、手計算等は必要としないのはあたり前の事であるが、計算の概要をわかっていなければ、工夫をすることもできない。
施主と打ち合わせをしていく中で、「このようにはできないだろうか??」という、会話はよく出てくるものであるが、
その時に拾い視野を持ち、可能性を提案できる事は設計者としての技量の見せ所である。
この天空率においては、最終的にはコンピュータの計算によるが、理屈を理解した上で、可能性を施主に提示することができれば喜ばしい事はないだろう。
この、記事がそんな一助になれればよいかと思う。
一級建築士
不動産コンサルティングマスター
一級建築士としての経験を活かした収益物件開発、不動産投資家向けのコンサルティング事業、及びWEBサイトを複数運営。建築・不動産業界に新たな価値を提供する活動を行う。